最終話「LIFE GOES ON」
〜前回のあらすじ〜
明石焼きを食べながら女の話に同情したコメディアンは、ギャグを見せようと公園へ向かうが……

≪ 第三話へ戻る
公園に向かう途中で女は怖くなり、自分の話に夢中になっているコメディアンに気づかれぬよう逃げだしました。
公園に着き、女がいないことに気づいたコメディアンは慌てて来た道を行ったり来たり探しましたが、女は見つかりませんでした。
気がつくとすっかり夜明けの午前5時。
うっすら空も白んできました。
歩きっぱなしで体はクタクタ。
普段なら通り過ぎるだけの路地裏。
こんな時間にも関わらず赤い提灯が光っているのが見えます。
ラーメン屋です。

「門扇」は朝7時まで営業していました。
歩き疲れて空腹だったコメディアンは
トッピング全部乗せの「門扇スペシャル」を注文し、汁まで残さず完食。

それでも物足りなかったので、追加でチキンカレーも頼みました。

食後の満腹感と睡魔で頭がボーッとしてきたコメディアンは、いなくなった女のこともすっかり忘れて家に帰っていきました。
一方、女は…
男から逃げてきた女は、身体がすっかり冷えきっていました。
24時間営業のファストフード店でカフェオレを飲んで、気づけば朝の5時。
店員に起こされるまで机で突っ伏して寝ていたようでした。
始発まであと少し。
コートを着直してふらりと店を出ました。
行く当ても思いつかず、当初、コメディアンと向かっていた先斗町公園へ。
が、誰もいませんでした。
誰もいない公園でぼんやり鴨川を眺めていると、空が徐々に明るくなってきました。
ビルの合間からまぶしい朝日が差し込みました。

女はベンチから立ち上がって
「こんな日もあっていいか…」
と、駅に向かって歩きだしました。
途中、すれ違った男がコメディアンとは気づかずに。
−おしまい−
**** That's 店舗紹介!! ****
門扇 木屋町店
木屋町四条上ル二筋目西入ル 四条KGビル1F

朝7時まで営業する鶏がらラーメンの専門店。スープはあっさりしているのにコクがあり、木屋町で朝まで飲んだ〆にはとっておきの一品です……鶏チャーシューなのもよし。
が、なるべく終電前には食べ終わって無事に帰宅してくださ〜い!
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、夜の木屋町アバンギルドで!

(構成・編集 池川タカキヨ/高原綾子/仲谷萌)
Knit Cap Theater presents
『That's enough!!』

2018.3/28(wed)-29(thr)@UrBANGUILD
※19:30/21:30 2stage
Ticket:¥2000+\600(drink)
URL:http://knitcap.jp/thatsenough