2019年08月02日

「チェーホフ鳥」のしおり〜歴史背景編〜


こんにちは、高原です。

『チェーホフも鳥の名前』はサハリンの約100年を描く作品です。
サハリン(樺太)の南西部にある、チェーホフ(野田)町が舞台となります。

サハリンは、時代によって国の領有権が変わるので、説明するにはとても複雑です。

でも、ご安心を!

サハリンのことを知らなくても、劇中で解説が入ったり、幕間には明治・大正・昭和・平成期のサハリン写真がスクリーンに投影されます。
その時代時代の面影をお楽しみください。

というわけで、
幕構成に合わせ4つに分けて、その時代背景を紹介していきたいと思います。

1幕[1890年(明治23年)]…ロシア領時代
2幕[1923年(大正12年)]…日本領時代
3幕[1945年(昭和20年)]…日本からソ連へ
4幕[1980年代(昭和55年〜)]…ソ連政権

※詳しく知りた方は、こちらもご参考に!
「樺太の歴史」(リンク:wikipedia)




【第一幕:1890年 夏】
 ─ 舞 台 ─
サハリン南西部に位置する街、移住囚ポチョムキン宅の居間 。
ロシア人だけでなく、日本人、ギリヤーク人も出入りしている。

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[絵:竹内まりの]

1890年7月11日、4月にモスクワを出発したチェーホフがサハリン島に上陸した。
ロシア帝国時代のこの当時、サハリンはロシア中の犯罪者たちが送られる流刑地だった。
島に3カ月滞在したチェーホフの実態調査は、のちに『サハリン島』というルポルタージュとして刊行される。流刑された人々の調査をはじめ、北方の先住民、日本人と交流したことも記されている。

(あらすじ)
サハリンの短い夏。この日、ポチョムキンの一人娘ナターシャの結婚披露宴がおこなわれる。その宴にチェーホフが招かれることになった。チェーホフの他にも急遽来客が増え宴は予想外の展開に……



【第二幕:1923年8月】
 ─ 舞 台 ─
樺太南西部に位置する野田町。塩川正十郎が営む「塩川農場」のエントランス。塩川家の居住スペースにつながる場所でもあり、町の人々の憩いの場所にもなっている。

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[絵:竹内まりの]

1923年8月3日、宮沢賢治が樺太へやってくる。5月に就航したばかりの北海道の稚内から樺太の大泊を結ぶ稚泊船に乗って、樺太鉄道を乗り継いで。自身が務める花巻農学校の生徒の就職先を探すため、樺太には5日間滞在した。

(あらすじ)
前年に亡くした妹トシの悲しみが癒えきれない宮沢が、塩川農場で様々な人と出会う。
農場主の塩川正十郎、その娘マーシャ。近くで乾物屋を営む「エゴール食品」の息子源太とその妹もとこ。塩川農場に出稼ぎにやって来た朝鮮人夫婦、ヨンとチャングム。そんな中、荒木が結婚申込みにやってきて……



【第三幕:1945年12月】
 ─ 舞 台 ─
2幕と同じ「塩川農場」のエントランスだったところ。
今はソ連軍政府の指令により食堂になっている。

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[絵:竹内まりの]

1945年8月9日、ソ連軍が日ソ中立条約を破棄し侵攻開始(樺太の戦い)。沖縄戦に続く地上戦地となる。終戦となった8月15日以降に地上と海上共に攻撃を受け戦火となる。25日に占領されるまで多くの民間人が犠牲となった。(真岡郵便電信局事件三船殉難事件など)

(あらすじ)
塩川のあとを受け継ぎ、荒木と娘の節子が食堂を営んでいる。塩川の訃報を受け、かつてこの場所で育った、もとこ、チョムスンの家族たちが一堂に会する。樺太がサハリンに変わろうとする戦後直後、誰もが不安を抱え、多くの人が祖国に帰ることを望んでいた。食堂の傍ら保健局に勤めていた荒木には、もう一つの顔があった……



【第四幕:1980年代】
 ─ 舞 台 ─
サハリンへ向かう船/日本の住宅/チェーホフのダーチャ/源太の回想録

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[絵:竹内まりの]

1970年代、アメリカとソ連が冷戦を続けるなか、日本とソ連の交流も停滞する。サハリン(樺太)には様々な事情で島に残った人々が暮らしていた。そんな中、旧住民たちがサハリンを訪問する「墓参り団」が何度もおこなわれた。日本とサハリン(樺太)を繋ぐ糸は細いながらも繋がっていた。

(あらすじ)
チョムスンの娘ミジャ、引き揚げ後日本で暮らすもとこ、チェーホフに残された節子とチョムスン、上村源太の回想録。大きくこの4つの目線、時系列で、同時多発的に進行する。離れ離れになった家族が歩む道、想いが行きつく先は……



いかがでしたでしょうか?

意外と知られてないだけで、サハリンに関する資料はたくさんあります。
今もサハリンには、日本時代「樺太」の面影もたくさん残っています。

次回は、作品の登場人物、その相関関係をご紹介します。
お楽しみに〜♪

****************
ニットキャップシアター第39回公演
『チェーホフも鳥の名前』
KCT_チェーホフも鳥の名前_表面.jpg
2019年8月31日(土)〜9月2日(月)@アイホール
8月31日(土)13:00/18:00
9月1日(日)13:00/18:00
9月2日(月)14:00

公演サイト:http://knitcap.jp/bird/
チケット(劇団窓口):予約フォーム

posted by ニットキャッパー at 11:55 | Comment(0) | チェーホフ鳥
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